2022年10月、オンライン読書会に参加するにあたって、久しぶりに再読しました。
読書会のテーマは、『夢をかなえるゾウ0』のガネーシャの課題「名作を鑑賞する」にちなんで、小説・エッセイというジャンルの「名作」を紹介するというもの。
「名作」ってなんだろう?って考えた時に、純文学の古典と呼ばれるジャンルだろうかー?とふと考えました。太宰治や芥川龍之介などの名作も考えました。
でもやっぱり、私にとっての名作と言えば、「児童文学の名作」だろうと思い返しました。
ミヒャエル・エンデ『モモ』の紹介
児童文学という枠を超えて「名作」と言えるこの作品、大人になってから読まれた方も多いのではないでしょうか。
私自身も、初めて読んだのは大人になってから。
ミヒャエル・エンデは高校生の頃『はてしない物語』を読んだのが最初でした。
『モモ』はそれからだいぶたってから読みましたが、『はてしない物語』よりもっと大人に刺さる物語だと思います。ーそして、現代の子どもたちにも。
主人公の女の子「モモ」と時間泥棒との時間をめぐる戦い。
『モモ』に出てくる子どもたちは、時間に追われている大人たちの対比として描かれている存在ですが、現代では大人顔負けで時間に追われているかも知れない。
そう考えると、今こそ『モモ』を読んで時間との付き合い方を考えてもらいたい。
良質なビジネス書にも匹敵するような深さがこの物語にはあると思っています。
ビジネス書『限りある時間の使い方』
読書会でも、そのころ話題になっていたビジネス書『限りある時間の使い方』と通じる考え方かもしれないーとの意見が。
時間を倹約すればするほど時間が無くなっていくモモの世界。
『限りある時間の使い方』は時短やライフハックといった考え方に警鐘をならす内容。
実際に読んでみて、今までの時間の使い方に関する考え方への違和感が解消されました。
それこそが、『モモ』の世界とも通じる考え方と言えるのではないでしょうか。
ビジネス書『人は聞き方が9割』
また、物語の冒頭で紹介される主人公モモの才能のひとつ、聞く能力についても、コミュニケーションのポイントとしての「聞く」力の大切さが分かりやすく描かれています。
『モモ』と現代の時間との付き合い方の課題。
今一度、考えてみることもいいのではないでしょうか。
でも、深く考えず、ただただモモの冒険物語を楽しむことも良いと思います。